人生を深く考える日記

一人の小僧が人生やプログラミングについて考える日記です。

ブロックチェーンとは何か的なことに関する個人的な理解

こんにちは。ここ1年半くらい大学行くの辞めて色々やってましたが、最近はブロックチェーンに興味を持ち、思想・技術的な側面について考えていたのですが、とりあえず思想的な話に関しては自分の中では腑に落ちたので軽くまとめようと思い書きました。

 

 

ブロックチェーンとは何か。

ブロックチェーン(暗号通貨)とは何か、ということですが、一言で言うと「グローバル通貨」であり、それ以上の物でもそれ以下のものでもないと言うのが自分の見解です。

 

通貨とは何か

ブロックチェーンとは「グローバル通貨」であると言ったわけですが、通貨とは何かみたいなことをまずは定義しようと思います。通貨とは基本的に価値という概念を表現するものだと思っているので、まずは価値とは何かを考えると

・人間の何らかの欲求を満たすもの

・複製できない

という性質を持つものであり、かつそれ(価値という概念)自体は特定の用途を持つ物ではなく、非常に汎用的な概念だと思っています。そして価値の持つ性質を表現できかつ価値の

・交換

・保存

・量を測る役割

を持つものが通貨と定義(認識)できるかと思います。(なんかそれ系の教科書とかにも通貨の定義みたいなの書いてあるはず。)

 

価値を表現するもの

今の社会でブロックチェーン以外にある程度汎用的な価値を表現するものが何があるかというと、例えば

・国や中央銀行が発行する通貨

・宝石

・証券、保険商品などの金融商品

とかかなと思います。(証券とか株式は含めなくても良いかも。)ブロックチェーンもよくこれらのものと比較されます。

 

通貨・宝石、金融商品の違いとブロックチェーン

デジタルゴールドと言われたりとか、証券かどうかみたいな話がよく議論になるブロックチェーンですが、これらの違いを考えてみたいと思います。

通貨と宝石の違い

通貨と宝石の一番の違いは交換が容易かどうかだと思います。どちらも価値という概念を表現するのに適したものだとは思いますが、宝石は加工の大変さとか物理的な体積、重さを考えると日常での価値交換には適していないと思います。

 

通貨と金融商品の違い

通貨と金融商品の一番の違いは何らかの色がついているかどうかだと思っています。これはどういうことかというと、金融商品は”何かに対する権利”を表現するものであるため、汎用的な価値を表現する物ではないと思います。

例えば会社の株式であれば、会社の意思決定に対する投票権、のようなものを表現していると思いますので、汎用的な価値を表現するものとは言えないと思います。

 

こういう観点で見ると、現状スケーラビリティや送金手数料の問題などで価値交換としての機能を十分に発揮出来ていない暗号通貨がデジタルゴールドと表現されたり、ICO等の独自コイン(発行者の色がついたもの)の発行が出来てしまうイーサリアムが証券と言われることがあるのも頷ける話かと思います。

 

それで、以上のような観点から見たときにブロックチェーンは何かという話ですが、ブロックチェーンで表現できるものは価値という概念を表現でき、かつインターネットを通じて容易に交換可能な電子データということかと思います。

ここに何らかの色がついていたらそれは証券と同等だと思っていますが、BTCやETHに代表されるパブリックブロックチェーン(誰でも承認やマイニングに参加できるもの)はほぼ全て(恐らく全て)が、現状技術的な問題はあるにせよ、汎用通貨(特定の色の付いていない価値交換の手段)を志向しているんじゃないかと思います。

 

価値交換において最も重要なことと現状

なぜブロックチェーンが必要なのかという議論においても非常に重要なことだと思っているのですが、あるAさんとBさんの間で価値交換の媒体として日本円を使おうと思ったときに、それが成立するために必要なのは共通認識(合意形成)だと思います。

これは簡単な話で、例えば日本人が中国に行って福沢諭吉で商品を買おうとしても多くの場合買うことが出来ないと思います。これは福沢諭吉には価値があるという合意形成が日本人と中国人の間ではないからです。

 

つまり通貨として成立するためには、上記で書いた価値を表現できるという性質を持つことを前提として、共通認識(合意形成)が存在していることが絶対に必要です。

 

では現状その共通認識(合意形成)を作り出しているのは何か、というとそれは各国に固有の教育や法律、メディア、長年通して根付いた文化等だと思います。しかし、現状政府や文化、法律等は国ごとに分かれており、国ごとに別々の通貨(価値交換の手段)を使っているのが現状です。

そしてブロックチェーンとコンセンサスアルゴリズムを使って世界で統一的な価値交換の手段を提供する、というのが、この問題に対するブロックチェーンが提案した解決策だと思っています。

 

なぜグローバル統一通貨が必要なのか

 

そもそもグローバル通貨なんて作る必要があるのかってことについてですが、これに対する回答はすごくシンプルで、戦争をなくすためだと思っています。やっぱり生きてて一番怖いのは死ぬことですから、各国のトップも自国が戦争に巻き込まれないよう、あるいは被害を最小限に食い止めるために政治的な争いを繰り広げていることだろうと思います。(政治詳しくないのでテキトーです)

ただ、昔から色々な人が世界統一によって戦争のない社会を実現しようと試みるも上手くいかず、現状地域ごとに多くの国ができて分散した社会になってしまっているのが現状です。(もちろん支配欲とか他の欲もあるとは思いますが細かい議論はここでは無し)

でもそれはよく考えると当然のことで、自分がトップになれば(極論ですが)通貨を発行したり法律を作ったりできるわけですから、みんな自分がトップになって支配したい訳で、世界統一なんて簡単にできるわけがないんですよね。で、個人的にグローバル通貨の存在ははこれに対する解決策だと思ってる訳です。

 

これについて、いくつかの観点からもう少しちゃんと考えて見ようと思います。

 

なぜ人は争うのか

合意形成ができないから、争いが起こるのだと思います。なんでもそうですが、人と人は意見が対立したとき、お互いの利害が一致しなかったときに争います。

 

グローバルに合意形成出来てることが一つでもあるか

現状グローバルに合意形成出来ていること、つまり世界のどこに行っても通じることってあるんでしょうか。法律はもちろん通貨も文化も国や地域によって違います。グローバルな共通認識って今の所人類にはまだないんじゃ無いかなと思っています。

 

共通認識のない人とどうやって合意形成すれば良いか

日常生活や仕事などでも、多くの場面で、誰かにとっての常識が他の人にとっての常識と異なるときが沢山あります。

こういう認識の違いによって大小様々な争いが生じるわけですが、そういう争いに対する解決策の1つが共通の価値交換の手段を持つ、ということなんじゃないかなと思います。

価値観の合わない人同士でも金さえあげればとりあえず解決する、みたいなのってまさにそういうことなんじゃないかなと。で、こういう合意形成をグローバルでするにはやっぱりグローバル通貨が必要になるんじゃ無いかと思っています。

 

BTCがグローバル通貨になったら

例えば全く文化や価値観の異なる人間と話す場合でも、グローバル通貨が存在している以上はお互いにBTCには価値があるという点については少なくとも合意形成が取れていることになり、これは暴力を用いないで物事を解決する際に非常に重要なポイントかと思います。

単純な話ですが、いざとなったら「BTCあげるから許してください」で解決する可能性が高いですし、「BTCやるから俺に従え」が通用すると思います。気持ち良い世界じゃないかもしれませんが殺し合いよりはましだと思います。

 

 

グローバル通貨がブロックチェーンである必要性

グローバル通貨がなぜブロックチェーンである必要があるか、ということについてですが、グローバル通貨は誰でも安心して持つことのできる信頼が必要です。例えばトルコリラ基軸通貨です、と言われても国際的な信頼度が低かったり(価格操作をするんじゃないか、とか)そもそも国力の低い国は外的な要因に左右されやすいため、安心して参加することが出来ませんよね。

さらに、現状では米ドルが世界の基軸通貨になっているかと思いますが、米ドルを発行する権利はアメリカが持っているため、アメリカよりも中国が国力をつけてきたときに、これに大人しく認めるとは思えないし、過去にも基軸通貨はイギリスのポンドから米ドルへと移っています。国力の栄枯盛衰に合わせて移り変わって行ってもいいのかもしれませんが、いつまでたっても社会全体としては進歩していない感じがしますよね。

 

そんな中で、ビットコインイーサリアムのような特定の管理者がいないかつ誰でも参加可能なネットワーク上で、あらかじめ定められたプロトコルに従う通貨、というのは、誰もが安心と納得感を持って保有できる、今後末長く続くグローバルな基軸通貨になる可能性があるんじゃないかと思うわけです。

 

あそこの国の発行する通貨は信用できん、みたいなのは個人レベルでも国家レベルでも存在しているはずで、そういう合意形成ができていない部分をブロックチェーンならもしかしたら解決できるかもしれない、ということですね。

 

 

通貨以外の用途について思うこと

ブロックチェーンの通貨以外の用途についてですが、グローバルなパブリックチェーンという意味では通貨以外は考えられないと今の所思っています。

ただ、バリデータを限定したコンソーシアム型のブロックチェーンPoAのもの関しては、何らかの価値観を共有する人たちの間で使われる独自通貨や、その他共有財産などを表現できると思っていて、この辺りがdappsとかサイドチェーン系の話かなと思っています。

 

あとは世の中のあらゆるサービスは通貨と紐づいていますので、そういう意味でブロックチェーンを使ったサービスが云々というよりは、何かサービスやるなら当然支払い手段として導入はされるだろうなと思っています。

 

 

技術的な理解とブロックチェーン

技術的な問題点については僕も勉強中ですが、ビットコインに始まる暗号通貨は基本的にベースとなる思想があった上での技術だと思っていて、ベースにある思想と技術的な課題は明確に区別して考えるべきなんじゃないかとは思っています。

僕の認識では暗号通貨はあくまでグローバル通貨を作るものであり、グローバルで使える通貨という価値交換の手段を表現するための技術的な課題としてスケーラビリティやネットワークの問題に対して多くの技術者の方が取り組んでいる、という感じに認識しています。

 

 

僕の立ち位置

僕は多少開発はできますが、ブロックチェーンのコア開発に参加できるほどの技術は現状無いので、インターネットについての知見を深めつつ世の中にどうやって導入していくことができるかとかを考えて、アプリケーションのレイヤで何かできたら良いなと思っています。